#7 橋本貴美代|発酵食を通して「発幸」する伝道師

名前

橋本 貴美代 (はしもと きみよ)

仕事

KOMBUCHA伝道師

腸内フローラアドバイザー

場所

神奈川県鎌倉市

 
 

今回のゲストは橋本貴美代さんです。キミーさんは鎌倉を拠点にして、発酵食であるコンブチャを全国に広げている先駆者であり、腸内フローラアドバイザーとして活動したり、スポーツアロマセラピーを施術したり、とにかく身体と心の話をするとワクワクイキイキしている方です。

キミーさんのコンブチャスムージーを飲みながら、彼女が鎌倉に引っ越してきたきっかけから、コンブチャとの出会いと鎌倉にあるカフェ、HOUSE YUIGAHAMAでデビューするまでの経緯、コンブチャのノウハウや腸内環境を育成する事の大切さを発信する伝道師としての現在まで、あっという間の1時間でした。

コンブチャに興味ある方は、スコビーをうまく育てる秘訣も公開しているので、ぜひ最後まで聴いてください。

撮影:Akari Komatsu

橋本さんとの対話の抜粋

— 今日キミーさんに聞きたいことが沢山ありますが、でもその前にまず知りたいのは、なんでキミーさんがいつも笑顔でイキイキしているのか?

本人はそのつもりがないから、どうだろう。でも心地良い場所にいて、心地良い人たちに囲まれてるから、もうそれだけで、朝起きて、一日楽しい。人が好きだから、それが根本かも。人に会ったら自然とそういうふうになる。

— 「心地が良い」っていうのは?

私にとっては自然があることが一番心地が良い。私の生まれ育ちは福岡県で、遠くに海が見えて、裏にすぐ山があって、海岸が近くにあってっていう環境で育ったから、なんとなく湘南鎌倉エリアとすごい似てる。だから、脳で考えるとかじゃなくて、ここがすごく心地がいいから、それを自分で選択しようとして湘南に移り住んできて14年だね。

そうすると出会う人も同じような感覚の人であったりするから、やっぱり住む場所ってすごく大事だなと思う。好奇心の赴くまま、いろんなものを見たり、いろんな場所に出たり、住む場所も変えたりしてたけど、結局根本的なものを自分でチョイスしたときに、すごい心地いいなって、気づいたらニヤッとしてるよね、多分それは自然だと思う。

— 鎌倉に引越ししたきっかけは?

福岡から出てきた時は、なんとなく私は東京都心に住まないと分かっていたから、千葉の船橋に住んで、東京に仕事に通った。

ある日、サーフィンしに行こうと思って、千葉の一宮か、湘南の海かどっちにしようかなと思って、10円投げたら湘南だった(笑)。東海道線に乗って、とりあえず海に行ってサーフィンして、サーフショップを回って、不動産屋さんも回ってっていう感じでした。

不動産屋さんがたまたま福岡の人ばっかりで、私誰も知り合いないのに、そうやって不動産屋さんが福岡の人だから、ちょっとご縁だし安心かなと思って、それでいろいろ教えてくれて、ここがポイントですよとか、ここに美味しいものがありますよとか、そのうち福岡弁で話すようになって、そしたらたまたま本社が福岡だったんだよね、だからみんな福岡の人なんだねっていう話になり、もういいですと思って、当日おうちも決めちゃった。

— 10円投げが14年間のお住まいを決めてくれましたね。当時はどういう仕事をされていましたか?

最初は、ロンハーマンっていうアパレルの辻堂店のオープニングスタッフで、店舗マネージャーとして勤めてた。

そして東日本大震災(2011年)の時、テレビでたまたま心のケアについての番組を観てた。建物が崩れたりとか、目に見える一次災害は勿論だけど、その裏側にある、心のダメージをどうケアしようかというテーマだった。それでアロマオイルは心のケアにすごく効果があるということを知って、ちゃんとアロマの勉強を真剣にやろうと思った。

それで勉強するなら、ちゃんと人の体を触るから本格的がいいなと思ったときに、スポーツアロマっていうのに出会って、仕事休みのたびに東京の学校まで通って、資格を取りながらいずれ自分のお家の一部屋をサロンにして施術し始めた。

「自分の体を知ると楽しいし、自分に必要なものがわかるし、生き方にも繋がると思う。私達は自分の体を責任を持って強くしないといけない。」

— そのあと、アパレルの仕事をやめましたか?

そう、結局セラピストとしてやっていきたいので、自分の施術がどれだけ通用するかっていうのを知りたかった。仕事をやめた時有給があったので、それを使って、コスタリカにあるリトリート施設に1ヶ月間、ボランティアしに行った。

— どのようなリトリート施設ですか?

ジャングルみたいなとこだったんだけど、その中で携帯をオフにして、本を読んだり、マッサージを受けたり、ヨガをやったり、瞑想したりとかの場所です。私はそこでアロマセラピーを施術しました。受ける人は正直で、気持ちが良くて、体が整ったらお金をくれる、良くなかったら来れないっていう、ドネーションな形で。

— 自分の腕を試すための旅ですね。評判はどうでしたか?

すごい高評価で、お金もすごくいただいた。技術も自信も勿論だけど、やっぱりセラピーって感覚的な触れ合いで、言葉を超えたケアができたっていうことが一番大きかったですね。

— コンブチャとの出会いもその時ですか?

そう。なんとなくいろんな人と話をしたりとかしている中で、誰かがコンブチャを作ってオーガニックショップで販売していることが分かった。それを飲んだときにすごい美味しいと思って、滞在中も結構気にしながら飲んでいた。

そのあと日本に帰ってきて、すぐにどこか飲めるとこあるかなと思って、東京を回ったんだけど、麻布にある大泉工場に辿り着いた。そこでコンブチャを飲んだときに、ホームメイドって書いた英語の本が置いてあった。あ、そうか、家で作れるってコスタリカのお店も言ってたなと思って、コンブチャを家で作り始めた。施術に来たお客様に、施術のあと飲んでもらう。それが最初だった。

— そのあとHOUSE YUIGAHAMAでコンブチャを売り始めたきっかけは?

HOUSEの社長は、自分がアパレルの仕事をしてた時のお客さんだった。彼はHOUSEをどうにかアップデートしていきたいと言った。

当時のHOUSEはホットドック、コーヒーとビールがメインで、どっちかっていうとアメリカンな感じのお店だった。お店は鎌倉の中心から外れてるし、中心にはコーヒー屋さんもあるし、私はそんなことよりコンブチャを作って、自然食のグロッサリーショップをやらせて欲しいと、スコビーを持って社長に海外ではこんなにマーケットがあるよと説明した。でも、無頓着な社長だから、何これみたいな感じなわけよ(笑)。キミちゃんがいうんだったら1ヶ月、2ヶ月で数字として結果が出たらやっていいよって言われて、今でも感謝してる。

そしてラッキーなことに、湘南でお友達になった人たちは、ヨガの先生が多かったり、オーガニックとかのことにすごく敏感な人たちが多かったから、みんなにInstagramとかFacebookとかで発信してもらった。皆美味しいって言ってくれて、ようやく2ヶ月経って社長のOKが出た。

— 改めてですが、コンブチャとスコビーってなんですか?

コンブチャは、お茶を原料とした酵母の発酵飲料です。味で言うとアップルサイダーみたいな味ですよね。甘くて酸味があって、天然酵母の発酵のシュワッとした感じの清涼飲料水。

酵母が糖分を餌にして発酵する。その酵母の名前はSymbiotic culture of bacteria and yeastって、英語の略SCOBY(スコビー)です。スコビーはキノコみたいな形をしてるから、1970年代に日本で紅茶キノコっていう名前でも流行ってたんだけど、スッゴイ酸っぱくて美味しくないやつでしょうとか、気持ち悪いやつでしょうとかいう方がすごく多くて、ちゃんと伝える人がいなかった。

元々アジア発祥で、何でコンブチャっていう名前かっていうと諸説あるんだけど、一つはその菌を発見したドクターの名前がコンブさんていう韓国の方で、コンブさんが発見したお茶でコンブ茶という名前を付けたという。

「平和な世界は1人1人の身心の健康にあるをモットーにこれからも発幸セラピストとして邁進します。」

— HOUSEでコンブチャを展開してから5年目。キミーさんはどのような変化を感じましたか?

最初はイートインがあったけど、今コロナの中でテイクアウトだけになって、量り売りを増して、最近コンブチャをくださいっていう方が増えてきて、すごく嬉しいです。

今私はHOUSEとは違う関わり方をしていて、コンブチャを伝えるワークショップとか教育の講師やったり、コンブチャを飲めるところをプロデュースしたりしている。

— 経営者から講師になる理由は?

単純にコンブチャをもっと広めたい。美味しいし、体にいいし、知らないより知った方が絶対豊かになるし、それだったら一人じゃなくて、同じ思いの人を一緒に仲間を作って、海外みたいに気軽に買える場所を増やした方がいいじゃないかと、2年前ぐらいから考えが変わってきた。

コロナの中で、オンラインワークショップを試しにやってみたら、反響がすごく大きくて、この2年間で1500人ぐらいに教えた。今はオフラインとオンラインで1ヶ月に1回のペースでやってる。

— コンブチャワークショップと腸内環境の講座の関係性は?

やっぱりコンブチャって腸内環境が整うことで、要はプロバイオティクスっていう菌が腸まで生きたまま届くっていうその食品であることっていうので、私がコンブチャを教えるとき、腸内環境の話って結構入ってくる。それを聞くとやっぱり知りたくなるし、腸育とか腸活とかに興味ある人たちがあったり、受けに来たりとかして、そういう人たちがもっと学びたいって言ったときに、腸育の講座にそのまま受けに来ていただいてるっていう感じですね。

— 腸育ってなんですか?

腸育は腸の育成です。腸の中の要は私達が持っている腸内細菌がいっぱいあって、その種類とか、働きによって、いろいろと体の変化が出る。コンブチャなどの発酵食や、睡眠や、運動などで、その細菌を育てることができる。

腸内環境は人によって全然違って、そして腸ってすごく繊細だから、今良くても1ヶ月後はまた変わってたりしますが、一回調べると、今自分が持っている腸内細菌の種類の名前とか、何の菌がどれぐらいあるとか、大まかに知ることができる。この五、六年間で、世界中で腸内細菌のデータやエビデンスがいっぱい出ていて、例えばこの病気になりやすい、もしくはこの病気になった人は、この菌をたくさん持っている傾向があるとかわかる。

— 要は病気にならないためには、自分の腸内環境が今どういう状態かっていうのを知って改善できますね。

そう、今までは国の保険をカバーしてくれてるから、病気になったら病院に行けばいいよみたいな感覚の人がすごい多いと思うけど、本来ならば、私達の体ってよくできていて、いろんなものが入ってきても、勝手に退いてくれるようなシステムを持ってるのに、その力を眠らせるような時代でここまで生きてきちゃった。これから高齢化社会と言われていて、医療費もどんどん上がっていく中で、自分の体を知ると楽しいし、自分に必要なものがわかるし、生き方にも繋がると思う。私達は自分の体を責任を持って強くしないといけないですね。

— それはキミーさんが今の活動を通して伝えているメッセージですね。今後の目標は?

「平和な世界は1人1人の身心の健康にある」をモットーにこれからも発幸セラピストとして邁進します。

これはキミーさんとの対談のほんの一部です。ポッドキャストでは、コンブチャや腸内細菌などついて熱く語り続けるので、ぜひ聴いてみてください!


Marco

今回の写真をとってくれた小松あかりさんも、湘南エリアで大活躍していて、ラジオで地元の人を紹介したり、イベントを企画したり、とても素敵な方です。あかりさんとキミーさんが一緒にいると、二人のグッドバイブスと眩しい笑顔で1日分の元気をいただきました。ありがとうございました!

 
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